ゴミ屋敷から脱出するのは簡単ではありません。
それもそのはず、「自分の部屋はゴミ屋敷」と気が付いた時には、どこから片付ければよいか分からないほどのゴミがあるからです。
そのため、「ゴミ屋敷ではない」「大丈夫」と思い、現実逃避をしてしまう方もいるそうです。ただゴミ屋敷はゴミの多さから、火災の原因になったり、家の倒壊などさまざまな弊害を引き起こします。
つまり、ゴミ屋敷は一刻も早く脱出する必要があるのです。
今回はそんなゴミ屋敷から脱出するために必要な手順やコツを紹介します。
この記事の監修者
小西 清香氏
(整理収納アドバイザー)
元汚部屋出身の整理収納アドバイザー。テーブルの上には書類がいっぱい、畳んでいない洗濯物の山から洋服を探す日々。そんな私でも整理収納アドバイザーの資格を取った事がきっかけで、片付けられられるようになりました。以前の私と同じように片付けが苦手な方の力になりたいと思い、片付けの仕事をしています。
まずはゴミ屋敷になった部屋の状況を確認する
まず始めにゴミ屋敷と気が付いた際は、やみくもに片付けてはいけません。
それはなぜかというと挫折する可能性が高いからです。
もちろん目の前にあるゴミをがむしゃらに片付け続けられれば、それで良いかもしれませんが、自分の今の状況を知り、対策しながら片付けする方が効率的かつ、リバウンドを防ぐことができます。
状況を把握する事柄は以下の通りです。
・ゴミ屋敷になっているのは何部屋あるか
・部屋の大きさ
・水回りにもゴミはあるか
・全体のゴミの量
・片付けにかけられる時間
・協力者はいるか
・探し物はあるか
・賃貸かどうか
把握すると、片付けにかかる時間が大まかに分かるはずです。
また水回りに問題が発生していたり、床や壁が腐っていたりすれば修繕が必要になってきます。
その修繕費のこともあらかじめ念頭に入れておくことで、慌てることもありません。
さらに、ゴミの中に埋まっている探し物もあらかじめ決めておけば、誤って捨てることを防ぐことができます。
そのような事項も踏まえて、大まかな日程を立てましょう。
落ち着いて片付けを進めるためにも、状況を把握することが重要です。
慌てて進めると、部屋や物に傷を付けたり、失くし物をしたりしてしまい、やる気を失ってしまうかもしれません。
ゴミ屋敷から脱出するために片付け方を決める
次に、大まかな日程が立ったら片付け方を決めます。
片付け方は自力で進める方法と業者に依頼する方法があります。
どちらの方法もメリットとデメリットがありますが、まずは大まかな日程を立てたところで、片付ける時間が極端に少なく、膨大な日時がかかる方は業者依頼にしましょう。
ゴミ屋敷からの脱出は長期戦ではありますが、何カ月も続けるのは挫折の確率が上がり、脱出失敗となってしまう恐れがあります。
また、自力で進める場合もできる限り協力者を募るようにしましょう。
一人で進めると甘えや慣れが出てきてしまい、途中で投げ出してしまうかもしれません。
家族や友人にゴミ屋敷のことを告白するのはとても勇気のいることではありますが、本当に心配してくれる方であれば、きっと協力してくれるはずです。
業者に依頼、あるいは自力でゴミ屋敷から脱出する
では、いよいよ片付け方法の紹介です。
二つの方法に分けて紹介します。
・自力で進める方法
意外にもゴミ屋敷の片付けは単純作業です。
それもそのはず、お住いの自治体の決められた方法で、ゴミを分別し捨てるだけだからです。
そのため、必要なものは
・ゴミ袋(自治体で決められたゴミ袋がある場合はそれに準ずる)
・軍手(ゴミを触ったり、けが防止のため)
・マスク(ほこりやちりを吸わないようにするため)
・汚れても良い服(ゴミに触れるため)
です。
また、進め方のコツは一部屋ごと進めていく方法やゴミの種類ごとに進めていく方法です。
Aさんはプラゴミ、Bさんはペットボトルといったように種類を分けたり、部屋を分けたりします。
こうすることで、逐一ゴミ袋を取り換えたり、部屋を移動する必要がなくなりスムーズに進みます。
そして、大切なものを誤って捨ててしまわないために、あらかじめ協力者には大切なものの存在を認知させておきましょう。
物の名前だけ知らせるのではなく、大きさや形状、色まで教えましょう。
そして、それらしい品物が出てきたら、すぐに自分に確認するように伝えましょう。
・業者に依頼する方法
業者に依頼する方法は業者をインターネットなどから見つけ出し、見積もりをし、片付けをしてもらうといった流れです。
そのため、片付ける必要は全くありません。
ただ、貴重品などを誤って捨てられないようにするためにも、確認のために立ち合いが必要です。
ゴミの量によっては数日かかる場合もあるので、作業日は空けておくことが重要です。
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ゴミ屋敷から脱出しないと起こる被害に気を付ける
状況を把握し、方法を選び、片付ければ、晴れてゴミ屋敷から脱出です。
ただ、途中で投げ出してしまった場合はどうなるのでしょうか。
投げ出さないためにも脱出失敗のリスクを認識しておきましょう。
・健康被害
ゴミ屋敷から脱出できず、ゴミ屋敷が放置されると、自身の健康に悪影響が出るかもしれません。
風邪が治りにくくなる、ひきやすくなる、精神的な問題が発生するなど多くの弊害が出てきます。
・悪臭
住民はくさいと感じなくても、周りの住民はくさいと感じることがあります。
悪臭は近隣住民の生活に大きな影響を及ぼし、苦情やトラブルの原因になります。
・害虫、害獣被害
ゴミ屋敷は害虫や害獣にとっては暖かく、餌も豊富な天国のような場所であるため、大量繁殖してしまいます。
大量に繁殖すれば、当然かまれたりなどの被害が起き、また近隣住民の家へ出没したりなど、自分以外の方にも被害が及びます。
・火災・地震
ゴミ屋敷は一般的な住宅より物が多い家や部屋です。
そのため、少しの火種で一気に燃え上がり、消し止めることができない一面を持ちます。
賃貸であれば賠償が発生するうえ、近隣住居に燃え移れば、人災を引き起こす可能性もあります。
また、地震が発生したときに倒壊したゴミに押しつぶされてしまう、逃げ道が塞がり逃げ遅れてしまうなどのリスクが高まる点についても考慮しなければいけません。
・倒壊
ゴミ屋敷の物の多さから、家自体が倒壊してしまう場合もあります。
倒壊を起こせば、当然住む家はなくなってしまい、暮らしに困るはずです。
また、倒壊によるガレキが通行人に当たるなどの被害があれば賠償が必要です。
このようにゴミ屋敷から脱出できないと、自分自身への被害だけではなく、近隣の方への被害も引き起こしかねないのです。
ゴミ屋敷から脱出する際の注意点2つ
リスクを認識し、ゴミ屋敷脱出への気持ちも高まり、片付けの準備は万全と思われるかもしれませんが、まだ脱出時には注意点があります。
・自責の念
自力でも業者でも、片付けは単純作業であるため、良いことも悪いことも反芻してしまうものです。
その際に、自分を責めることは決してしないでください。
片付けられない自分を片付け中に責めることは、本当に意味のない、ただやる気を削ぐ行為です。
どうしても考えてしまう場合は、片付けを少し中断し、落ち着いてからまた作業をするようにしましょう。
・悪徳企業への依頼
業者依頼をする際悪徳企業に依頼してしまうと、適切な片付けサービスを受けられないばかりか、高額請求をされてしまうことがあります。
つまり、安全な業者に依頼することが重要です。
ホームページの有無や初期対応、見積書の有無、追加請求の有無などあらゆる方面から安全かどうかチェックするようにしましょう。
急いでいるからと言って、適当に見つけた業者に依頼することは絶対に止めましょう。
高額請求をされたり、サービス内容の食い違いが起こり、満足のいく片付けをおこなってくれない可能性があります。
まとめ
ゴミ屋敷から脱出できれば部屋の様子は変わり、多くのことができるようになるでしょう。
ただ、脱出後も片付けや掃除はいつまでも続きます。片付けや掃除が苦手な方にはつらいことではありますが、このきれいな空間を少しでも守りたいという思いを持てるなら努力する価値はあるはずです。
一度部屋をきれいにすれば、今後は少ない労力でお部屋の掃除を済ませられます。
片付け後にも困難はあるかもしれませんが、誰にも迷惑をかけず健康的な生活を送れるようにするために、ゴミ屋敷の脱出を真剣に考え、実行してみてください。