状況次第ではありますが、数カ月でゴミ屋敷が出来上がることもあります。
そのため、「気が付いたらゴミ屋敷になっていて、片付け方が分からない」と途方に暮れてしまう方も多いのではないでしょうか。
今回はゴミ屋敷を自力で片付けることができるのか、そしてその片付け方について紹介します。
この記事の監修者
小西 清香氏
(整理収納アドバイザー)
元汚部屋出身の整理収納アドバイザー。テーブルの上には書類がいっぱい、畳んでいない洗濯物の山から洋服を探す日々。そんな私でも整理収納アドバイザーの資格を取った事がきっかけで、片付けられられるようになりました。以前の私と同じように片付けが苦手な方の力になりたいと思い、片付けの仕事をしています。
ゴミ屋敷の状況によっては自力で片付けられる
まず、ゴミ屋敷に直面すると、「このゴミ屋敷は自力で片付けることができるのか」「この状況に対応できる片付け方はあるのか」という疑問が思い浮かぶのではないでしょうか。
先に結論を述べてしまうと、「状況次第で片付けられる」となります。
あいまいな結論だと思われた方も多いかと思います。
ただ、ゴミ屋敷と言っても、床がなんとか見える程度に汚れたものから、テレビのワイドショーなどで特集される、天井近くまで積みあがったゴミ屋敷まであり、ゴミ屋敷ごとで片付ける量に差があります。
またゴミ屋敷に住む方が、精神的な問題を抱え、ため込み症を患っていることや、ADHDやASDなどで片付け方を把握することができないなどの内面的な問題を抱えていることもあります。
このような状況では、当然ゴミの量が少なくとも、自力で進めていくのは非常に困難と言えるでしょう。
そのため、自力で脱出できる場合は状況次第になるのです。
ただ、その状況を明確にできるよう、自力で脱出できる指標を紹介します。
・ゴミが天井近くまで積みあがっていない
天井近くまで積みあがっている状況では、毎日少しずつ片付けても片付けを実感できないうえに、膨大な日にちがかかってしまいます。
自力での作業はお勧めできません。
・水回りがまだ機能している
水回りが機能しなくなっている家は、トイレも使えません。
そのような家に住む方は精神的な問題かゴミが天井まで積み上がっている可能性が非常に高いです。
・片付ける部屋が少ない
ゴミ屋敷と言ってもアパートのワンルームから2階建ての戸建てまでさまざまです。
2階建ての戸建てのゴミ屋敷など、たくさんの部屋がゴミ屋敷状態になっている場合は量の関係から自力で進めるのはお勧めできません。
・精神的な問題がない
先の説明のような、ため込み症やADHD、ASDなどの問題を抱えている場合は片付けよりも先に治療を優先しなければなりません。
もちろん完治はしない精神的な問題もありますが、治療しなければいくら片付けてもゴミ屋敷に戻ってしまいます。
・時間的な問題がない
ゴミ屋敷になった理由が仕事の忙しさなどの理由である場合は、自分の仕事状況の見直しを行わない限りは、またゴミ屋敷に戻ってしまいます。
上記の問題にすべて当てはまるか、または改善されている方は自力での片付けができる可能性があります。
一方上記の問題が一つでも状況に当てはまらない方は、知人や家族に片付けてもらう、または業者に依頼することになるでしょう。
ゴミ屋敷を片付けるときは挫折に注意
ではさっそく片付け方を紹介といきたいところですが、片付け方を知る前に、自力で片付ける際の注意点を知っておかなければなりません。
注意することとは、片付け中の挫折についてです。
挫折をしてしまうといくら良い片付け方を知っていても、すべて水の泡となってしまいます。
そうならないよう、この章では片付け方を紹介する前に挫折を防ぐ心得を紹介します。
・むやみに片付けない
ゴミ屋敷の片付けは量が多いため、長期戦です。
むやみに片付け始めても、片付けの成果を感じられず挫折してしまうことがあります。
事前に計画を立てておくことや、一日の片付けの量や時間といった目安を決めることで、部屋にあまり変化がなくとも、自分を評価し、長続きさせることができます。
・大きなものから片付ける
大きなものから片付けることは、部屋のフリースペースが広がり、片付いた印象を持てるようになります。
片付け始めは大きなものを片付けて、いち早く部屋の環境を変えるようにしましょう。
・迷わない
必ずと言ってよいほど、片付けの際には捨てるか迷うものが出てきます。
そのものの処分について片付け中に悩んでしまうと、片付けの時間を無駄にしてしまいます。
そのため、片付け中に迷うものが出てきた場合は、捨てるものと残すもの以外に、迷っているものの場所を作り、一時保管しましょう。
悩むものは悩む時間を作り、片付けがひと段落した後にゆっくり悩みましょう。
ゴミ屋敷の片付けを自力で進める方法
では、自力での片付け方を紹介します。
・道具の準備
片付けの際はほこりやチリなどが大量に出てきます。
また、鋭利なゴミなどがあった場合けがをする可能性もあるため、
・汚れてよい服
・軍手
・ゴミ袋
・ぞうきん
は必ず準備しておきましょう。
また、雑誌類などの処分の際に使う、ビニールひもやガムテープなどもあると尚良いです。
・片付けの計画設定
先ほどの章でも紹介しましたが、むやみに片付けることは挫折の原因となってしまいます。
確保できる片付けの時間と照らし合わせて、片付け計画を立てましょう。
部屋ごとで区切る、種類ごと(本、服)で進めるのがおすすめです。
間違っても無理のある計画を立てないようにしましょう。
・片付け
自分の計画に基づいた方法で片付けを進めていきましょう。
また、ゴミをまとめる際はゴミの分別も併せて進めていけるよう、いくつかゴミ袋を用意しておくのがおすすめです。
・ゴミ捨て
お住まいの自治体の収集日に合わせてゴミを出しましょう。
粗大ゴミは基本的に自治体への粗大ごみ処理手数料の支払いが義務付けられているので、支払いをすませ、既定の方法で処理しましょう。
また、まだ使えるものなどはリサイクルショップやネットオークションなどで売却するのもおすすめです。
このように、文で紹介すると簡単なものです。ただ、この片付けと、ゴミ捨ての行為を何十回と繰り返す必要があります。計画を事前に立てて、慎重に進めることが良い片付け方です。
ご相談・お見積もり無料ゴミ屋敷片付けプログレスは
日本全国対応
※許認可の関係等で現在対応できない地域も一部ございます。
ゴミ屋敷の片付けを誰かに手伝ってもらう方法を解説
自力での進め方は分かったが、「自力で進めるのはやはり心配」という方もいるのではないでしょうか。
では次に、半自力で進める片付け方を紹介します。
・知人と一緒に進める
友人や家族などと一緒に進めます。
他人がいることで、簡単に挫折することができなくなるといったメリットや、複数人存在することで片付けの速度も上がり、成果を実感しやすくなります。
・片付け業者に依頼する
大半の片付け業者は部分的な片付けにも対応しています。
そのため、自分が一番苦労する場所や、やりたくないと思う部分の片付けを任せることで、肉体的だけでなく精神的な負担も軽くできます。
・回収業者に依頼する
ゴミ捨てが困難な方は、回収業者に依頼するのもおすすめです。
自治体との面倒な手続きを踏まずにほぼすべてのものを業者に任せることができます。
また、買取などに対応している業者も多いため、お得に処理することができるかもしれません。
このように、不安な方は半自力で進めるのもおすすめです。
ゴミ屋敷を片付けた後はリバウンドを防止しよう
では最後に、片付け後に「リバウンド」を起こさないようにするための方法を紹介します。
・ものの存在の把握
ゴミ屋敷の原因の一つに、ものの把握不足があげられます。
どこにどんなものがあるからわからなければ、同じものの購入、似たようなものの購入が起きます。
そのため、定位置を決め、ものの把握に努めましょう。
何となくの位置で置くのは厳禁です。
・ものを捨てる習慣
基本的にものは劣化し、いつか役目を終えます。
その時にきちんと捨てられるかどうかが重要です。
愛着などが強く捨てられない場合は、写真に残す、一部だけ切り抜くなどの方法で、思い出だけを簡単に保管できるようにしましょう。
・掃除の習慣
部屋がどれだけきれいであっても、定期的に清掃を行わなければ汚くなります。
そのため、この片付けが終わってもそこがゴールではありません。
最終的には定期的に掃除ができるようにならなくてはなりません。
汚くなる前に掃除ができるよう、定期的な掃除の習慣を身につけましょう。
まとめ
自力でのゴミ屋敷の片付け方を紹介してきましたが、別に業者への依頼や誰かを頼ることは悪いことではありません。
時間的余裕がない場合や進められないと感じた場合は誰かを頼るようにしてください。
ゴミ屋敷に悩む方はどんな過程であれ、最終的にきれいになり、快適な生活を維持できるようになることが最終目的なはずです。
この記事で少しでもゴミ屋敷の片付け方についての知識が深まりましたら幸いです。
お読みいただきありがとうございました。